合格者の声

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2025/01/16NEW

【企業経営アドバイザー】中小企業診断士 有川 真哉さん 事業者の支援を通して「世界を面白くする」。人にフォーカスすることで見えるもの、生まれる好循環があります。

企業経営アドバイザー検定試験合格
中小企業診断士
有川 真哉さん
2024年5月認定

事業者の支援を通して「世界を面白くする」。
人にフォーカスすることで見えるもの、生まれる好循環があります。

現在のお仕事についてお聞かせください。

2024 年の4 月に独立開業して、企業の経営相談やサポートを中心に業務を行っています。メインの活動拠点は、以前13 年間商工会の職員として勤めていた福岡の町ですね。そこでは商工会の窓口相談とか、顧問先の企業支援を中心に、創業支援、金融支援、販路拡大、補助金アドバイスなど、経営に関するいろんなサポートをしています。

あと、月に1 週間は鹿児島の「よろず支援拠点」という中小企業庁の支援拠点でコーディネーターを務めています。他にも中小機構のアドバイザーとか、福岡県の経営革新計画策定指導員とか、公的な仕事もいろいろやっていて、毎日あっという間に過ぎていきます。

金融機関、不動産コンサルティング会社を経て商工会へ転職された理由を教えてください。

大学を卒業して、最初は政府系の金融機関で融資や債権管理、資産査定などをやっていました。でも、貸し手の立場からだけだと、借り手である事業者のことを理解しきれないと考えるようになり…もっと事業者側の視点に立ちたいと思うようになって、転職を決意しました。

商工会に入る前に4 年間、不動産のコンサルティング会社で働いた経験は、金融機関時代に足りなかった不動産の知識を補ういい機会になりましたね。担保評価などで必要になる専門知識をしっかり習得して、小規模事業者支援への足掛かりにしました。

商工会での活動について、具体的に教えていただけますか?

商工会での活動内容は本当に様々で、地域ごとの特徴によってかなり違うと思います。昔は融資や記帳指導といった相談が多かったんですけど、最近は補助金申請の支援とか、SNS の使い方、チラシの作り方など…より幅広い分野の支援が必要とされていますね。

私が所属していた福智町の商工会では、事務局長、経営指導員、経営支援員の計10 名で地域の中小企業支援にあたっていました。担当する企業や地域はありましたが、それに必要以上に縛られることなく、それぞれが事業者のニーズに合わせて柔軟に支援活動をしていました。

ご出身の鹿児島でも支援拠点でのコーディネーターをされているのですね。

よろず支援拠点では、コーディネーターそれぞれが専門分野を持っていて、ワンストップで企業支援を提供しているんです。私は事業計画策定や、アイデアのブラッシュアップなどを担当しています。それぞれの専門性を活かしながら、他のコーディネーターと連携して企業の課題解決を支援していますね。

企業経営アドバイザーを取得しようと思ったきっかけについて教えてください。

日本金融人材育成協会会長の森さんとの出会いがきっかけですね。私は大学を卒業後、金融機関の職員、不動産のコンサルティング業を経て、福岡県福智町の商工会の職員として13年勤めました。その間に中小企業診断士の資格を取得したのですが、中小企業診断士の養成課程(中小企業大学校)で東京の研修に参加した際に、特別講師として登壇されていた森会長のお話がとても印象に残ったのです。

なので福岡に帰ってから、私が勤めていた商工会のセミナーで何度か森会長に登壇していただきました。そのような交流の中で、企業経営アドバイザーのお話を聞いたのがきっかけです。

企業経営アドバイザーの勉強をされていかがでしたか?

基本的な金融機関の知識や、業務支援のコンサル的な部分まで、網羅的な知識やスキルが身に付く内容になっていると感じました。企業支援をしていく上で、新しい知識は常にインプットしていくべきですので、基本的な知識から新しい知識までを企業経営アドバイザーのような資格で勉強した上で、現場で実践して経験を繰り返し積み、判断力を鍛えていくというのはとてもいい取り組み方だと思います。

対話力向上講習という、コミュニケーションに着目したカリキュラムがあるのも良かったですね。様々な業務がAI に代替されていく中では、支援者の人となりやコミュニケーション力が、特に小規模事業者のような顧客に選んでいただく上ではますます大事になってくると考えるからです。

私は中小企業の支援窓口の相談員も務めていますが、社会保険労務士や行政書士のような方が相談にいらした際は企業経営アドバイザーの取得を勧めています。今や代行業務も差別化が難しくなっていますので、それぞれの資格の専門知識にプラスして、企業経営アドバイザーで経営コンサルの知識を身につけることが、士業の方が新規顧客開拓する上でもとても役立つと感じました。

また、私は中小企業の支援窓口や顧問先で事業計画や経営理念策定の支援をすることがありますが、その際は企業経営アドバイザーで学べる支援ツール「経営デザインシート」の使用を勧めています。1 枚の紙で直感的にわかりやすく事業計画や経営理念が描ける点が優れていると感じますね。事業者とブレストする際の対話ツールとしても使いやすいですし、シートを従業員に配布したり掲示したりすることで、経営理念の浸透や目指す方向性の共有に活用している支援先もあります。

どのような方法で勉強をされていましたか?

書籍教材を中心に学習しました。中小企業診断士の資格を持っていて「知識科目」が免除でしたが、それまでの知識の総復習と新たな知識のインプットに注力しました。試験を受けた感想としては、私は2024 年の4 月に独立開業して実際に様々な中小企業の経営支援に携わっているので、それなりの前提知識を持って挑みましたが、なかなか難易度が高く、挑戦する甲斐のある試験だなと感じました。

『対話力向上講習』はいかがでしたか?

グループワークを通じて、多種多様な業界・業種で働いている受講生同士の対話の機会があり、気付きの多いものになると感じました。

企業支援において、事業者の本質的な課題を引き出すことはとても重要です。相談にいらっしゃる事業者も、みなさんが最初から課題を明確に言語化できているわけではないので、支援者側の目線から話すのではなく、事業者の目線に立って対話することで課題を引き出し、解決に向かって伴走していく支援の形は、企業支援に携わる様々な方が勉強すべきと感じました。

企業経営アドバイザーの学びを今後どのように活かしていきたいですか?

私は「世界を面白くする」という経営理念を持っています。事業相談に来られた事業者を私が支援することで、改善意欲やモチベーションが上がるとその事業者が提供する価値が高まり、その価値が事業者の顧客へ波及していくと、世の中の幸福度や価値が高まっていく。コンサルタントとして、そういった面白い世界のハブになりたいんです。

一方で、自分自身で事業をしたいとも考えています。コンサルという理論で支援していく立場だけではなく、自分でも事業を実践してみたいなと。東京にある、有名なかき氷屋さんをベンチマークにしているのですが、例えば氷を機械で削るのではなく、手回しでお客様の前で削るというような演出方法にこだわりを持っていて、そのこだわりに共鳴したお客様は単価が高くても行列を作る。そういったお店を私の地元鹿児島でやってみたいと考えています。

これから企業経営アドバイザーの勉強をされる方にメッセージをお願いします。

なかなか難しい資格ではあると思いますが、必ず役に立つので検討されている方にはぜひ頑張ってほしいですね。

そして中小企業支援を志している方には、現場での実践と、そこで得られる経験を一番大事にしてほしいです。理論ももちろん大事ですが、机上の空論にならず、人にフォーカスをした支援を目指してください。お客様に興味を持ち、お客様のファンになると、相手の困り事が見えてくるようになります。それを支援によって解決することを繰り返していくと、今度はお客様が自分のファンになってくれる。そのような好循環を作っていくことで、金銭のやり取りだけではない価値が生まれていくと思います。