合格者の声
VOICE企業地域経済の活性化、社会的課題を解決するプロフェッショナル養成
合格者の声
VOICE2021/12/16
企業経営アドバイザー検定試験合格
株式会社北陸銀行勤務
森川 優子さん
2020年10月試験合格
株式会社北陸銀行に勤務しています。
昨年までは、コンサルティング営業部のプライベートバンキングチームで主に事業承継のための自社株評価などに従事していましたが、この4月(2021年4月)からは、総合相談拠点「ほくぎんプラザかけお」へ異動となりました。
「ほくぎんプラザかけお」は、お客さまのライフプランに合わせ、各種ローン、相続、贈与に関するご相談、資産運用、生命保険の見直しなど各種マネープランの相談に対応しています。また休日営業を行っているため、平日にご来店が難しいお客さまも新設した全室個室のプレミアムルームでゆっくりとご相談いただけて、資産に関する幅広いご相談が可能です。
その中で、私は企業経営者や不動産オーナーのお客様の資産運用や、相続対策のコンサルティング、アパートローンの組成等に従事しています。
尊敬する上司が企業経営アドバイザー資格を取得したことがきっかけです。
当行では、以前から企業経営アドバイザー資格の取得が奨励されています。ですので、多くの行員が企業経営アドバイザーのテキストを持っており、学習の内容も耳にすることがありました。
ある時、試験に合格した上司からテキストを見せていただく機会があったのですが、私の知らない世界が広がっていて、面白そう!と思い、いつか受験してみたいと思いました。
私は業務の中で自社株の算定を行うことが多くあり、B/SやP/Lと向き合う時間も長かったのですが、その割には単純に数字を算出しているだけで、果たして私はその意味をどれほど理解しているものかと、ある時ふと気になったことがありまして・・
業務経験を積んでいくうちに、どうしてこの数字になるのか?数字が上がったらどうなるか?下がったらどうなるか?その本質を知らずに機械的に自社株の評価額等を算出している自分が段々と見過ごせなくなってきたのです。
そこで、まずはどっぷりと企業財務、経営の世界へ身を置いて、納得できるまでとことん学んでみようと受験を決意しました。
実際に勉強してみていかがでしたか?
財務にこれまで深く触れてこなかったこともあり、苦手意識というかアレルギー反応みたいなものがありました。
しかし、逃げていても仕方がないので、経営や財務について理解の浅い所にいる自分を一旦受け入れて、一から学習しました。すると、数字と経営について、これまで点と点の知識であったものがきれいにつながる瞬間があったのです。
「そういうことなんだ!」と納得できた時はとても嬉しかったです。
また、企業経営・企業支援分野では、行動心理としての欲求(マズローの欲求段階説)や、人事評価の体系など、私も組織の一員ですので、自身に当てはめながら興味深く学習することができました。
資格の学校TACのWeb通信講座を受講しました。どの講師も個性的で、その声や仕草で講義内容も覚えることができました。
仕事を終えて家に帰ると母親業もあります。家事を終えて少し仮眠をとって、夜中から明け方まで学習するなどして時間を確保しました。あとは、基本的にはお昼休み等スキマ時間を活用して学習をしました。
そうですね。1回目の受験では、実践科目のみを受験して合格したのですが、次の知識科目の受験は、残念ながら一問を落としての不合格でした。その時は、まだ財務への苦手意識が拭えず、最初の財務分野の出題10問くらいを諦めてしまいました。
続いて2回目の受験では、実践科目の科目合格の有効期限もありましたので、「真剣にやらなきゃ!」と心を入れ替えて問題集を繰り返しやり込み合格することができました。
グループワークのメンバーが医療系と経営者という異業種の方ばかりで、自分にはない視点を学べてとても有意義でした。銀行員というと、どうしても金融機関の視点になってしまいがちなので、意識して色々な方と会い、対話をする必要性を感じました。
また、ロールプレイングでは、ここでも苦手意識のある財務の問題に当たってしまい、その時はとにかく必死に計算したことを覚えています。
これまでに、行内でもロールプレイをする機会はありましたが個人向けのセールスが主でした。今回のような経営者との対話を想定したロールプレイは、より実践的な内容であったと思います。経営者であるお客様の懐に入ることがいかに難しいことか、話の引き出しがないと入口で断られることもある、特に銀行員の場合は税制面での知識だけではなく心理的に打ち解ける必要があると思いました。
現在の業務では、お客様の課題に対して解決策を提案するだけではなく、課題に実際に向き合い解決することまでが求められます。資産運用のほかにも新規事業に参入する際のコンサルティングをすることもあります。このような時に、今回学んだ企業経営全般の知識があると、お客様である経営者との対話の切り口や引き出しが増えますし、新規事業への参入にしても財務等まさに学習したことが活かせて面と向かってお話ができると思います。
私は、経営者やオーナーと直接お話しをする機会が多くありますが、女性銀行員の中ではまだ珍しい方かもしれません。女性の場合、経営者との対話というと、自分には難しいと引いてしまうこともあるかと思いますが、後輩にも、自らここまでと線引きをしないで、なんでも学習、挑戦してくれたら嬉しいです。
私は過去に一度銀行を辞めています。
実は、結婚を機に退職してから10年間は子供二人を育てる専業主婦でした。
子供が大きくなってから銀行へ戻りましたが、その時はもう“浦島太郎状態”で、空白の10年間を巻き返していくのはとても大変でした。
窓口にいると、お客様は色々なことを尋ねてきます。年金や税金、ローンのこと、相続贈与のこと。ですが、「知りません」、「分かりません」とは言えません。聞かれたことに真摯に答えようと思う度に勉強をして、その延長で自分を対外的に表現できるものとして資格取得にも挑みました。そうして気がついたら相当な数の資格を持っていて、FP1級という難関資格にも合格することができました。
また、銀行員が受けるべき教育が10年間すっぽり抜けていることをこれまでビハインドに感じていましたが、今回「事業性評価」を学習したことで、この10年間専業主婦という立場にいたことは、SWOT分析で言うと逆に強みであったのだと捉えることができました。
今回、企業経営アドバイザーの学習をしてとても面白く、もっと学びたいと思いました。次は中小企業診断士を目指して学習を継続していこうと思います。
私の座右の銘は、「現状維持は退化」、「知行合一(ちこうごういつ:知識と行為は一体であるという意)」です。基本的に現状維持はあまり好みませんし、知識というのは、知っているだけでは「頭でっかち」であると思っています。知識は、お客様へ還元して初めて意味を持つと思いますので、今後のお客様へのご提案の現場で学んだことをもっと活かしていきたいなと考えています。
今の仕事は、お客様の抱える課題を、お客様と寄り添い、一緒に解決していくことですから、今後も知識をフル活用して課題の解決を目指します。
先述のとおり、当行では、企業経営アドバイザー資格取得は推奨されていますが、是非若手行員、女性行員にも取得してほしいなと、自身が勉強をしてみて思いました。
人事部も現在は職位に関わらず積極的に取り組むべき資格として位置づけています。経営や財務の具体的な話になると一線を引いてしまいがちな方、職種に関係なく窓口職員等、経営に馴染みのない方にも取り組んでもらいたいと思います。
テキストはまったくの初学者でも分かりやすい内容になっていますので、一から企業経営のことや財務のことが学べます。
私のようにキャリアにブランクがあっても合格できます。
まずは苦手意識に蓋をして、学ぶことの喜びを感じながら、楽しんで取り組んでみてほしいと思います。