合格者の声
VOICE企業地域経済の活性化、社会的課題を解決するプロフェッショナル養成
合格者の声
VOICE2021/09/07
企業経営アドバイザー検定試験合格
サントリービバレッジソリューション株式会社勤務
田中 涼祐さん
2020年10月試験合格
飲料メーカー『SUNTORY』の自動販売機事業にて、自社商品の拡売に向けて法人向けの営業を担当しています。
私の所属している広域法人営業本部では、法人のお客様がいらっしゃる事業所や大規模商業施設等に、自社商品の拡売へ向けた提案営業を行い、法人の中での飲料需要を獲得していくことを目的としています。主は自動販売機関連になりますが、そこに際してはまずは多くのお客様に『SUNTORY』のファンになっていただくことが重要ですので、そのために、お客様の競合相手や外部環境、お客様の更に先のお客様までをも理解した上で、私たちの商品がどのようにお役に立てるか、一社ごとに戦略を立てて提案できるようにしています。
お客様の一日一歩の歩みが、一歩半、それ以上にでも進んでいけるような形でお役に立てることは何かと考える日々です。
お客様のことをきちんと理解することが難しいと感じます。
法人営業に限らず、会社員として勤めている以上、多くの方は、「予算」や「前年比」、「目標」など明確な数字の設定があって、その数字を達成するために仕事をしていることかと思います。しかし、営業の立場では、それらの達成如何は当然お客様のご事情にもよる話ですので、自分自身で全てをコントロールしきれるものでは決してありません。その事実を前提に、いかにして実績を作って成果を残していくか。これが営業の課題だと思います。
実績を作って成果を残していくためにはお客様に興味を持ち、理解していくしかないと考えています。
現場へ行くこと、お客様と対話をすること、本やインターネットでお客様のことを調べること、そして最新のニュースを確認すること。それらの事前準備を充分に行った上で営業に行くのか、何も知らない状態で行くのかでは、大きく結果が異なるのではないでしょうか。
お客様を知って理解するということが本当に難しく、一番重要だと感じています。
社内は、自己研鑽を推進する制度が整っており、極力残業を減らして、休みもしっかり取り、その上で幅広い人材になるためのスキルアップに励むことが推奨されています。そのような環境ですので、人それぞれ様々な学習、研鑽をしている方が多くいます。その中で私も何か今の仕事に役立つ学習を、できることなら形に残る資格を取得したいと探していたところ「中小企業診断士」に行き着きました。しかし、調べれば調べるほど難しそうで…(笑)。まずはその第一歩として、何か顧客に最適なアドバイスができるような、経営のアドバイザーのような資格はないかと探していたところ「企業経営アドバイザー」を知り、受験してみることにしました。
講義のはじめ2~3回くらいはギャップを感じることがありました。特に、受講してからこの検定試験の主催が「日本金融人材育成協会」であることに気付き、金融業界の方が受ける資格だったのか!と慌てましたね。私はメーカーセールスだぞと。
しかし、勉強を進めていくうちにどんどん楽しくなっていきました。各科目の学習テーマの枠組みが非常に良かったと思います。「企業経営・企業支援」、「企業法務」、「企業財務」、「生産管理」と。
特に「生産管理」の学習内容は、一般的な営業担当者では関わらない内容ではないでしょうか。一般のセールスが工場へ行き製造工程を拝見する機会はあっても、生産管理の現場が、作業工数やチャートの積み上げであることまでは知る由もないと思います。「生産管理」を理解する前と後では、現場や現場で働く人々を見る視点が全く変わりましたね。現場の方との会話もより深いものになったと思います。
これまでコンサルタントというと、財務諸表や事業概要、中期経営計画などに外部環境を踏まえてアドバイスするようなことを想像していましたが、それは、最終段階でのことであって、そこまでに至る過程やバックボーンには、法務もあれば、生産管理もある、人材育成もある。それら一つ一つの知識やスキルが全て整った上でのコンサルティングであることに気付かされました。ですので、企業経営アドバイザーの学習科目一つ一つが勉強になったと思います。これまで一辺倒になりがちな営業であったものが、多少のカーブ球くらいは投げられるようになったようにも感じますし、ここで得た知識は、いつか縁あって経営の立場になることがあっても絶対に活きるものだとも思います。
また、講師もとても良かったです。アカデミックな一般論ではなく、実務に携わっている方が経験談をふまえて、「こういうところはよく経営者から聞かれる。」等、強弱を付けながらの講義でしたので、より実務に活きる内容で毎回学びが多かったです。能力の幅を広げるために、金融業界の方に限らず、全く異なる分野の方が飛び込んで学習しても大きな価値があると感じました。
認定講習である対話力向上講習の時に、講師が「企業が一番嬉しいことは、売上を上げることだ」という旨の話をしていました。
法人営業というのは、お客様の売上に直接つながる場合もありますが、そうでない場合もあります。私の担当している自動販売機の営業は完全に後者です。我々の自動販売機を置いていただいても、そのお客様の会社の売上には直結しませんので。では、私たちはどのようなロジックでお客様のために営業をすれば良いのか。この課題が、今回の学習で多少整理がついたように感じています。
「企業の売上を上げるために、まず、従業員の方に健康的で気持ちよく働いていただく、そのことが従業員一人ひとりのウェルビーイングの向上につながり、結果、それは業績にも影響するよね」。「知的資産」分野の学習で講師から聞いたことですが、なるほどと思いました。このような財務諸表に現れない「無形資産」が重要であると。
例えば、今日のような暑い日は、熱中症リスクがあります。熱中症は突然症状が現れますので、初期症状の段階がポイントのようです。そのため、従業員同士が気になった際に「大丈夫?」とお互いに声をかけあうことが大切になります。このようなことを啓発するセミナーを、自社商品の紹介と併せて実施することがあります。
このようなセミナーを、これまでは、単にお客様に対して「(こういったセミナーが)できます。」といって実施させてもらうだけのものでした。それが今では、お客様一社ごとの置かれている状況に外部環境を絡めながら提案をするよう意識するようになりましたので、”話し方”が変わったように感じています。
私たちの営業がお客様のどの部分にプラスになるかが整理できるようになったことで、これからも自信をもった営業ができると思います。
3人一組で行いましたが、他のお二人は金融機関の方で、対話の照準がピッタリあっているところがありましたので、私も同じ照準を意識しました。
講習の中で、ある程度仮説を持って聞きに行くことが重要だと教わりましたが、これは普段の営業活動にも通じることでした。やはり、お客様のことを知ることが一番です。対話力向上講習に限らず、これまでの学習科目にも通じることですが、自分の目で現場を見て、座学で調べて、お客様に提案して一緒に考える。その中で、当然に生産管理や法務の知識も必要となるものです。
対話というのは、単に話し上手かどうかということではなく、それぞれに相手を知るための準備をしているからこそ上手な対話が生まれるのだと実感しました。
今の仕事をもっと極めていきたいという観点から申し上げると、自分が努力して能力を上げていくと、それが競合との差別化につながるのかなと思います。仮に私が担当を離れても、しっかりと“会社”対“会社”の取組みが築けていたならば、きちんと後任にも引き継げます。
自分自身のスキルを高めても自分の実績を出すことで満足と思うことはありません。
私は、この法人営業を全力疾走の「リレー」であると思っています。
これは周囲の多くの先輩に教えてもらった言葉でもあります。
距離は決まっていない、ゴールがどこかもわからない「リレー」です。人事異動は突然ですし、1週間で担当を引き継げと言われたらやるしかありません。それまでに、自分なりに目標を高く設定し、そこに向けてどこまで走りきれるかが重要なのかなと。バトンを受け取ってから渡すまでの間に、お客様との関係性をどれだけ深められるかが勝負と思っています。そうして走りきれるところまで走りきれたならば、後任者に「田中から引き継げて良かった」と思ってもらえるのかなと。その積み重ねに尽きると思います。
自分で得たスキルを自分のためだけに還元するのでは小さいものにしかなりません。スキルアップした結果、自分も周りも幸せにできたら、それは素晴らしいことだと思います。