【企業経営】楽観主義と悲観主義①
DATE25.04.04
皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。
ポジティブな人はネガティブな人と比べて、勉強や仕事の成績が良く、うつや感染症などの病気にかかりにくい、寿命も長いと言われています。今回は2回に渡り、ポジティブな人が本当によいパフォーマンスをあげるのか検証したいと思います。
楽観主義が成功の秘訣?
ポジティブ心理学を提唱するセリグマンは、成功と失敗を分ける要因として、能力や努力のほかに、楽観主義・悲観主義に注目しています。
彼が大手の生命保険会社の外交員を対象に楽観度テストで調査したところ、楽観度で下位4分の1に入る人は、上位4分の1に入る人に比べ3倍も離職する確率が高く、上位4分の1に入る人は、下位4分の1に入る人より50%多く保険契約を成立させていることが分かりました。
楽観主義者と悲観主義者の違い
セリグマンは楽観主義者ほど物事に粘り強く取り組むと考え、楽観主義者と悲観主義者の違いについて、次の3つを挙げています。
- 永続性
悲観主義者は、自分に起こった不幸は永続的であり、悪いことは続くものであり、いつまでも自分の人生に影響を与えるだろうと考える傾向があります。たとえば悪い出来事があると、「私はもう立ち直れない」「練習したって上手くいかない」「上司は嫌な奴だ」というように、悪いことを「いつも」とか「決して」といった言葉で捉え、悪いことがいつまでも続くと考えます。一方、楽観主義者は、「私は今疲れている」「目的意識がないと練習しても上手くいかない」「上司は今は虫の居所が悪いようだ」といったように、「いま」「ときどき」「最近」という言葉で捉え、悪いことは一過性のものだと見なす傾向があります。当然、不幸は一時的なものと捉えたほうが物事に粘り強くあたることができます。 - 普遍性
悲観主義者は、悪い出来事があったとき、「顧客はみんなわがままだ」「本なんか役に立たない」といったように、嫌なことを普遍化する傾向があります。一方、楽観主義者は、「あの顧客は不公平だ」「この本は役に立たない」といったように、嫌なことを普遍化せず、特定のものに限定する傾向があります。当然、ある分野での不幸をすべてのことに適用するより、特別な事象として捉えるほうが物事に粘り強くあたることができます。 - 個人度
悲観主義者は、悪い出来事があったとき、「私には才能がない」「私はどうも不安定なところがある」というように、自分のせいにして自分を責める傾向があります。一方、楽観主義者は、「私はついていない」「私が不安定なのは育った環境のせいだ」というように、運や境遇など自分以外の要因のせいにする傾向があり、自分を責めません。失敗したときに自分のせいにするより、外的な要因のせいにする人は、自尊心を失うことがなく、物事に粘り強くあたることができるとされます。
モチベーション管理の観点からは、永続性・普遍性・個人度という物事の認知の仕方をなるべく楽観主義的に捉えられるように変えていくことで、逆境に負けないモチベーションを養わせることができるとされます。
(つづく)
【参考】
榎本博明『モチベーションの新法則』日本経済新聞出版社
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元