【相続】孫に贈与のつもりが、名義預金として相続税の対象に・・・
DATE25.03.24
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
今回のテーマは、「名義預金」です。
相続税対策のつもりが、まったく無駄に…
「相続税対策のため、生きているうちに、少しでも財産を減らしておかないと…」
⇒「そうだ、孫の口座を作って、そこに毎年、(贈与税の基礎控除額である)110万円を預けていこう」
そう思って毎年、相続税対策として孫に内緒でコッソリと、贈与のつもりで孫名義の口座にコツコツ預金をしていったとします。
これで贈与税もかからず相続財産を減らせるので、相続税対策になると思いながら。
そして将来の孫の喜ぶ顔を、思い浮かべながら…。
しかし、いざ相続が発生したときには、その孫名義の口座は「名義預金」として被相続人の財産とされ、相続税の対象となってしまう可能性が高いのです。
つまり、生前にコツコツ財産を移していたことは、まったく無駄になってしまうわけです。
名義預金とは?
名義預金とは、被相続人の名義ではないものの、実質的に被相続人の財産とみなされる預金のことで、以下のような場合には、名義預金とされる可能性があります。
- 親や祖父母が子や孫名義の口座を開設して、自分のお金を預けている場合
- 専業主婦である妻が、夫から受け取ったお金を、自分名義で預金している場合
さて、この名義預金で気をつけたいのが、被相続人は「贈与した」と思っているような場合です。
たしかに、生前に贈与したのであれば、そのお金(預金)は贈与された人の財産となるわけですから。
しかし、「名義人は贈与を受けたと認識していない」「名義人は口座の存在を知らない」「被相続人が口座を管理していた」のいずれかに該当する場合、その預金は名義預金とみなされる可能性が高いのです。
つまり冒頭のケースでは、「孫に内緒でコッソリと」とあることからも、名義預金とみなされると考えられるわけです。
絶対に避けたい、名義預金
名義預金と指摘されると、それは申告漏れの財産となり、当然追加の相続税がかかります。
その際には、加算税や延滞税といったペナルティもかかり、金銭的にも精神的にも、その負担は大きくのしかかることでしょう。
また、名義預金があると、その名義人が「これは私の預金だろう」と主張してトラブルとなる可能性もあります。
さらには、名義預金は被相続人の財産と言えども、その名義が異なることから、相続後、諸々の手続きに手間がかかることも予想されます。
すなわち、名義預金には何一ついいことはなく、絶対に避けたいものなのです。
名義預金と指摘されないためには
名義預金とみなされない(税務署から指摘されない)ためには、その預金が贈与によるものであることをハッキリさせる必要があります。
すなわち、その預金は被相続人のものではなく、贈与を受けた人のものであることを証明できることです。
そのためには、まずは「贈与契約書を作成する」ことが大切です。
贈与は口約束でも成立はしますが、贈与があったことを証明するために、物理的な証拠として契約書は残しておくべきでしょう。
被相続人はすでに亡くなっているわけですから、口約束があったかどうかは証明できませんからね。
そして、「口座の管理は、名義人が行う」ことも大切です。
本稿のケースでは、名義人である孫が通帳や印鑑などを保有しておき、孫自身がお金を自由に使える状態でなければいけません。
孫が無駄使いしてしまわないか不安で、贈与者が管理したい気持ちは分かりますが、そこは名義預金とみなされないためにも、グッと我慢して、通帳や印鑑を預けることが不可欠なのです。
ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏