【年金】障害年金の初診日について
DATE25.03.17
1月の記事で、障害年金制度の概要をお伝えしました。
その続編として、今回は障害年金制度の初診日について見ていきます。
初診日とは
障害年金を請求する際、とても重要となるのが「初診日」です。
初診日とは、請求する傷病で「はじめて医療機関にかかった日」のことをいいます。
例を挙げると、
- メンタルの不調を感じて、はじめてメンタルクリニックに行った日
- 健康診断で要精密検査といわれ、医療機関にかかった日
- 交通事故に遭い、救急搬送された日
これらが初診日となりうるものです。
ずっと同じ医療機関で治療している傷病で障害年金を請求する場合、初診日は医療機関に確認して特定可能ですが、治療開始から現在に至るまでに複数の医療機関にかかっている場合は、初診の医療機関はどこなのか、という点を丁寧に確認していく必要があります。
初診日の証明をどのようにして行うのか
障害年金を請求する際に、初診日については原則として、医療機関からの証明を得る必要があります。
※「診断書」や「受診状況等証明書」といって様式が決まっています。
治療歴が長く、初診日が何十年も前に遡るという場合、カルテ保存期間切れのため医療機関の記録がなく、証明が得られないということもあるでしょう。この場合、初診日を自身で申立てしていくことになりますが、その際には、初診日を特定できる参考資料を集めて、初診日の申立てを行います。
参考資料の例は、病院からの紹介状、小学校や中学校の通知表、成績表、健康診断の結果、身体障害者手帳の診断書の記述、健康保険のレセプト記録などです。これらの書類を集めて、初診日について申立てを行います。
初診日を特定することができない場合は、初診日不明のため障害年金が認められないということもあります。
これは、
- 初診日に加入している制度で請求できる年金が異なること
- 初診日の前日時点で保険料納付要件の確認を行うこと
- 原則、初診日から1年6カ月後が障害認定日となり、初診日が変わると認定日も変わってくること
これらの理由があるため、障害年金においては初診日の証明がとても重要になるのです。
とくに、「2.」の保険料納付要件がクリアできていないと、どんなに障害の程度が重くても、障害年金を請求することはできません。
障害年金を請求する際はさまざまな書類が必要ですし、どの医療機関に何の診断書を依頼すべきか、とても複雑なものです。一人で悩まずに、まず最寄りの年金事務所や社会保険労務士に相談してみてください。
社会保険労務士
後藤 朱