【企業経営】マネージャーの仕事
DATE25.03.10
皆様、こんにちは。資格の学校TACで企業経営アドバイザー検定試験対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている中小企業診断士の三枝元です。
今回はマネージャーの仕事と求められるスキルについて、著名な経営学者の言葉を借りて紹介します。
リーダーシップとマネジメント
マネージャーには、リーダーシップとマネジメントが求められます。
P・F・ドラッカーは、「マネジメントは物事を正しく行うことであり、リーダーシップは正しいことを行うことである」としています。
ハーバード大学経営大学院教授のジョン・コッターは、マネジメントとは「複雑な状況に対処すること(オペレーションの管理)」であり、行動体系として「計画と予算の策定」「組織再編と人員配置」「統制と問題解決」があるとしています。一方、リーダーシップは「変化に対処すること(改革の主導)」であり、行動体系として「方向性の設定」「人心の統合」「動機づけ」があるとしています。
おおよそリーダーシップはWHATを問い、マネジメントはHOWを問うものであるといえそうです。
マネージャーの仕事と求められるスキル
ヘンリー・ミンツバーグはマネージャーの仕事を次のように示しています。
<対人関係の役割>
- フィギュアヘッド
象徴的な長:法的、社会的性質を持った多数のルーチン責務を遂行する責任がある。 - リーダー
部下の動機づけと活性化に責任がある;人員配置、訓練および関連責務への責任。 - リエゾン
好意的支援や情報を提供してくれる外部の接触や情報通からなる、自分で開拓したネットワークを維持する。
<情報関係の役割>
- モニター
組織と環境を徹底的に理解するため広範な専門情報(ほとんどが最新のもの)を探索・受信:組織内外の情報の神経中枢となる。 - 周知伝達役
外部や部下から受信した情報を自分の組織のメンバーに伝える:客観的な事実情報だけでなく、経営陣の解釈や組織の価値観を反映した情報も含まれる。 - スポークスマン
組織の計画、方針、措置、結果などについて情報を外部の人に伝える:組織の属する業種に関して専門家の働きをする。
<意思決定の役割>
- 企業家
組織と環境に機会を求め変革をもたらす「改善計画」を始動させる:特定プロジェクトのデザインも監督する。 - 障害処理者
組織が重要で予期せざる困難にぶつかったとき是正措置をとる責任。 - 資源配分者
実質的に、組織のすべての重要な決定を下したり、承認したりすることによる、あらゆる種類の組織資源の配分に責任がある。 - 交渉者
主要な交渉にあたって組織を代表する責任。
ハーバード大学教授のロバート・カッツによれば、マネージャーに求められるスキルには以下の3つがあります。
- テクニカルスキル(業務遂行能力)
自らが担当する業務を遂行するのに必要な専門知識や技術のこと - ヒューマンスキル(対人関係能力)
上司や部下、同僚、顧客。得意先などの相手方と上手くコミュニケーションをとる能力 - コンセプチュアルスキル(概念化能力)
周囲で起きている事象や状況を構造化し、問題の本質をとらえる能力
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元