【企業経営】計画された偶発性
DATE25.02.03
皆様、こんにちは。資格の学校TACで企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。
「自分の強みが分からない」「本当にしたいことか分からない」と言う方も多いかと思います。今回は、「計画された偶発性理論」についてご説明します。
■計画された偶発性理論とは?
キャリアは思いがけない出来事に左右される、これを扱ったものにクランボルツの「計画された偶発性理論」というものがあります。
『やってみたら向いているかどうか分かるし、やっているうちにスキルや知識が身につき、それが強みになる。それを繰り返しているうちに強みが増え、その結果、自分が本当にやりたいことが見えてくる。』キャリアとはそういうものなのだと思います。
■偶然の機会をつかむための5つのスキル
「計画された偶発性理論」では、偶然の出来事をキャリア形成の好機とみなし、それをうまく利用するように促します。
偶然の好機をものにするには、それに乗れるだけの力をつけておく必要があります。さらには、偶然の好機が訪れるのを受身で待つだけでなく、積極的に生み出す努力も必要です。そのために開発すべきスキルとして、次の5つを挙げています。
- 好奇心
新たな学習機会を積極的に求めること(後で何が役に立つか分からない) - 粘り強さ
つまずいてもすぐに諦めずに頑張り続けること - 柔軟性
状況に応じて考え方や行動の取り方を調整し変更すること - 楽観性
新たな状況でも萎縮せずに、何とかなる、うまくいくと前向きに構えること - 冒険心
結果が不確かでもリスクを過度に恐れず、とりあえず全力を尽くしてチャレンジしてみること
■レジリエンス
人の成長に大きな影響を及ぼす要因として、近年、心理学で注目されているのがレジリエンスです。これは、回復力、立ち直る力を意味します。
上司や客先から怒られると急激に落ち込んだり出社拒否したりする人がいますが、こうした人はレジリエンスが低いといえます。自信を持って臨んだ仕事でも、受け入れてもらえないことはよくあることです。そこでいちいち仕事に差し支えるくらい落ち込んでいたら、先には進めないでしょう。
逆に、たとえ自分の考えが受け入れられなくても、「何が悪かったのか」「どうすれば良かったのか」振り返り、次に繋げる逞しさが欲しいところです。
現在の状況が自分にとって満足がいくものでなくても、何か自分の糧となるスキルが得られるはずだという気持ちが、将来の自分を切り開くことになります。
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元