【年金】子の加算について整理
DATE24.12.17
12月3日、厚生労働省の社会保障審議会年金部会にて、子の加算制度に関する議論が行われていました。今回は、公的年金の子の加算制度について、現状の制度内容を整理してみたいと思います。
年金において加算対象となる子とは?
年金の加算対象となる子の要件は、次のいずれかに該当することとされています。
①18歳に到達年度末日までの間の子
例:2024年12月に18歳になる子は、2025年3月末日まで子ということになります。
②20歳未満で障害等級1級または2級に該当する子
※障害状態にあるかどうかは、年金請求のさい、診断書を提出して認定が行われます。
年金別に、子の加算がつくもの、つかないものを整理すると、次のようになります。
こうしてみると、老齢基礎年金、障害厚生年金、遺族厚生年金には子の加算額がないということがわかります。老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金には、配偶者がいる場合に加給年金額などの加算が行われます。
子の加算額はいくら?
老齢厚生年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の子の加算額は、すべて共通で、第1子、第2子は1人につき234,800円、第3子以下は1人につき78,300円です(いずれも2024年度の年金額となります)。
先日の年金部会では、子の加算額について、第3子以下の加算額を第1子、第2子と同額にして、加算額を一律にしたらどうか、ということが検討されていました。
また、子の加算の範囲を拡大し、新たに老齢基礎年金や障害厚生年金、遺族厚生年金でも子の加算額や加給年金額の制度を設けることが検討されていました。
これについては、財源はどうするのか、既存の制度との整合性はどのようにとっていくのか…という点など、慎重な意見も多く出ていたようです。今後の議論に注目していきましょう。
7月に行われた財政検証結果から、現在さまざまな制度改正について議論されていますが、どこまで実現されるかはまだ決まっていないとはいえ、どれも複雑でかなり難しいな…と思います。シンプルでわかりやすい年金制度になってほしいですね。
社会保険労務士
後藤 朱