ごえんをつなぐコラム

【企業経営】商品を売るには物語を語れ(その1)

DATE24.12.02

皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。

消費者は物語に共感し、感動します。商品、企業のブランディングを実施する際に「物語性」を重視した考え方をストーリーマーケティングといいます。

今回は、2回に分けてストーリーマーケティングの考え方についてご説明します。

■物語は印象に残る

次の2つの文章のうち、どちらが印象に残るでしょうか。

 

  1. ブランドXは、耐久性や防水性に優れ、古くから世界中で愛用されている。
  2. 1912年、あのタイタニック号の事故の際に、ブランドXのトランクにつかまり命が助かった人もいたといわれる。さらに沈没から数十年後、タイタニック号の船室から遺品が引き上げられたとき、ブランドXのトランクの中身は水に濡れず、当時のままの姿で残っていたという逸話まで残されている。

 

ブランドXはどなたもご存じのあのブランドです。もちろん【2】のほうが印象に残ったでしょう。このブランドXのエピソードは事実ではなく単なる都市伝説なのですが、世界中の人々の記憶に残っています。

このように自社や商品について何らかの物語(エピソード)があったほうが顧客の印象に残り、選ばれやすくなります。

■物語の効果

人は物語に感情を揺さぶられます。また、物語には真実味や信憑性があり、記憶に残ります。
よって、自社や自社商品のマーケティングで物語を使うことで消費者に対してブランド価値を伝えやすくなり、消費者とのエンゲージメント(絆)や口コミが生まれやすくなります。

数多くの競合の中から選ばれるには特別な理由が必要で、その特別な理由になりえるのが物語です。

商品、企業のブランディングを実施する際に、「物語性」を重視した考え方をストーリーマーケティング(ストーリーブランディング)といいます。

〇企業ブランディングの場合

代表者や従業員を「物語の主人公」に位置づけ、志に向かって立ち向かっていくことでファンを生み出していく。

〇商品・サービスの販売の場合

顧客(利用者)を「物語の主人公」に位置づけ、その商品・サービスを使うことで問題が解決することを知ってもらう。

 

著名なマーケティング作家であるセス・ゴーディン氏は、「マーケターは優れた物語の語り部であれ」といっています。

 

 

企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元

 

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