【相続】特別縁故者って、どんな者?
DATE24.10.24
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
今回のテーマは、「特別縁故者」です。
特別縁故者は、遺産を受け取ることができる
特別縁故者とは、「亡くなった人の相続人ではないけど、非常に関係が深かった者」のことです。
身寄りのない人(相続人のいない人)が死亡した場合、その遺産は一定の手続きを経て、最終的には国のものになります。
しかしその一定の手続きの中で、特別縁故者と認められる者がいれば、彼らに遺産が分与されるのです。
では、その特別縁故者とは、具体的にどのような者なのでしょうか?
特別縁故者とは、どんな者?
特別縁故者とは、以下の者が挙げられます。
- 被相続人と生計を同じくしていた者
一般的には、内縁の配偶者や事実上の養子(配偶者の連れ子など)が挙げられます。
正式に婚姻をしていない人、養子縁組をしていない人は本来相続人とはなれず、遺言書がない限り遺産を受け取ることはできません。しかし、亡くなった人と一緒に暮らしていたのであれば、特別縁故者として遺産を受け取ることができる可能性があるのです。
他にも、亡くなった子の配偶者や、叔父や叔母なども亡くなった人と一緒に暮らしていたのであれば、特別縁故者として認められるケースもあります。
- 被相続人の療養看護に努めた者
どの程度の療養看護をすれば特別縁故者と認められるかの基準はとくにありません。
とはいえ、特別縁故者は亡くなった人の遺産を受け取ることができるわけですから、それなりの療養看護である必要があります。
一般的な基準としては、「普段から食事や洗濯など身の回りの世話をしていて、入院の際には看病をした」「施設入居の際には身元保証人となり、入所後にも頻繁に訪れて面倒を見ていた」などとされています。
なお、看護師や介護士など、報酬を得てその療養看護を業務として行っていた人は、特別縁故者とはなれません(※)。
※但し、報酬以上に献身的に療養看護に努めたと認められた場合には、特別縁故者となる可能性もある
- その他被相続人と特別の縁故があった者
上記に該当しないものの、「亡くなった人と相当に親しい間柄であった友人・知人」であれば、特別縁故者として認められる可能性があります。
また、「(遺言はないものの)遺産を譲ると言われていた人」「生前に金銭援助を受けていた人」なども、特別縁故者として認められる可能性があります。
特別縁故者の判断は、裁判所が行う
以上、特別縁故者の要件について紹介しましたが、実際、自身が特別縁故者であるか否かの判断は、(身寄りのない被相続人の死亡後、その一定の手続きの中で特別縁故者の申立てをすることで)家庭裁判所が行います。
当然ながら、自身の判断で、勝手に特別縁故者となることはできません。
そして、特別縁故者に該当する場合には、どの程度の遺産を分与されるかについても家庭裁判所が判断します。
最後に念のため書いておきますが、特別縁故者が遺産を受け取れるのは、あくまでもその亡くなった人に「相続人がいない場合」に限られます。
もし、亡くなった人に配偶者や子、親や兄弟姉妹などの相続人がいる場合には、特別縁故者は遺産を受け取ることはできません。
ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏