【年金】年金記録問題とは
DATE23.11.13
今日は、突然ですが「年金記録問題」について取り上げてみたいと思います。
今から15年以上前の平成19年、約5,095万件の持ち主不明の年金記録が存在することが発覚し、たいへん大きなニュースになりました。
年金記録問題は、①未統合の記録が多数あること、②記録の内容に誤りがあること、この2つが問題となりました。
・未統合の記録が多数あること
昭和から平成初期の頃、年金は加入する制度ごとに年金番号が付番されていました。国民年金手帳の番号、厚生年金手帳の番号をそれぞれ持っている人も多くいました。
これらを統一して1つの番号で管理するため、平成9年1月1日から基礎年金番号制度が導入されました。このとき、国民年金手帳番号や厚生年金手帳番号を複数持っている方は、1つの番号に統合されていきました。しかし、基礎年金番号制度導入時にすべての番号が正しく統合されておらず、持ち主不明となった年金記録が多数存在する事態になりました。
・記録の内容に誤りがあること
昔は年金の加入記録や国民年金保険料の納付記録、厚生年金の標準報酬月額の記録は、すべて手書きで記入する紙台帳で管理されていました。その後、電子データに移しかえが行われ、現在は電子データで管理されていますが、移しかえの際に入力誤り等で正しく移しかえられなかった記録が存在することが発覚しました。これらは、紙台帳と電子データを1つずつ突合せ作業を行うことで訂正作業が行われています。
これらの問題に対応するため、平成19年12月から「ねんきん特別便」が送付され、年金加入記録の記載に漏れや誤りがないかどうかの一斉確認が行われました。
ただ、現在でも多数の持ち主不明な記録が存在していて、現在も確認作業が行われています。
年金記録問題の発覚後、社会保険庁は解体され、平成22年1月に日本年金機構という公法人が発足し、現在年金については日本年金機構が業務運営を行っています。
自分の年金の加入状況は、日ごろからきちんと確認をしておくことが大切です。年1回届くねんきん定期便は、きちんと確認しておきましょう。また、疑問がある場合は、お近くの年金事務所に相談に行きましょう。
社会保険労務士
後藤 朱