【年金】国民年金保険料の納付率がついに8割到達
DATE23.07.19
6月26日、厚生労働省から令和4年度の国民年金の加入・納付状況が公表されました。
今回は、その中身についてご紹介していきます。
「国民年金の加入・納付状況」は、国民年金被保険者の動向や保険料納付状況などをまとめて毎年公表されているものですが、これによると、令和4年度の国民年金保険料の最終納付率がなんと、80.7%とのことです。
過去最高の数値ということで、ニュースでも大きく取り上げられていました。
ここでいう「納付率」とは、納付対象月数に対する納付月数※1(納付対象月数のうち実際に納付された月数)の割合です。
※1「納付対象月数」とは、法定免除、申請全額免除、学生納付特例、納付猶予、産前産後免除の月数を除いた、当該年度分の保険料として納付すべき月数です。保険料の全額が免除、猶予になっている月数はカウントしないで、保険料の納付が必要な月数をカウントしています。
また、「最終納付率」とは、過年度分の保険料として納付されたものを加えた納付率です。
保険料の納付期限は翌月末日ですが、保険料徴収の時効は2年間ですから、実際にはさかのぼって2年1カ月前の分の保険料まで納付することができるため、納期限後に納付されたものも含めて最終納付率は計算されています。令和4年度の最終納付率は、令和2年度分保険料の最終納付率ということになります。
納付率は、国民年金保険料の納付義務がどのくらい果たされているかをみる指標です。
最終納付率の推移をみてみましょう。日本年金機構が発足した当初は、最終納付率は60%台で、年々納付率は上昇しています。
日本年金機構は、納付率向上のため、
・未納者に対して納付書、催告状等を効果的に送付
・納付忘れがないよう、口座振替やクレジットカード納付の促進
・スマホアプリ決済サービスでの納付の導入による納付しやすい環境づくり
・申請免除の対象者になる方に対しては積極的に免除申請の手続きをするよう働きかけ
などを行っています。これらの働きかけが功を奏し、今回の最終納付率8割達成となっています。
出典:プレスリリース 令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況について(厚生労働省ホームページ掲載)
国民年金保険料の納付月数は、将来受け取れる老齢年金額に大きな影響を及ぼします。また、万が一のことがあったときの障害、遺族の年金も、保険料納付要件が問われます。未納、滞納があったために年金がもらえないという事態も起こりかねません。
納付期限内に保険料を納付すること、保険料の納付が困難な場合は免除制度を利用すること、これらの手続きをきちんとしておくことがとても大切です。
社会保険労務士
後藤 朱