【企業経営】顧客を具体化する②(カスタマージャーニー・マップ)
DATE23.05.02
皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。
前回はペルソナ(自社の商品・サービスの典型的な顧客像)の設定についてご説明しました。ペルソナを設定した次のステップとして、今回はカスタマージャーニー・マップを紹介します。
■カスタマージャーニー・マップとは?
ペルソナを設定したら、カスタマージャーニー・マップを作成します。カスタマージャーニー・マップとは、実際に顧客がどのように自社の商品やサービスにアプローチし、どのように使うのかの最も典型的な例をプロセスに沿って図で示したものです。
これにより、より顧客目線で商品やサービスの内容を検討したり、マーケティング手段を講じたりすることができます。
<カスタマージャーニーの具体例>
・20代のOLが休日に着る服
・「興味・関心」「比較・検討」「購買」「着用」「共有」の5段階ごとに、顧客の行動や思考・感情などを記載する。
■カスタマージャーニー・マップの注意点
良いカスタマージャーニー・マップの条件と、悪いカスタマージャーニー・マップの例は、次のとおりです。
<良いカスタマージャーニー・マップの条件>
・各ステップでのタッチポイント(顧客との接触機会)が具体的に述べられていること
・タッチポイントの全体像が理解できるように、顧客体験の始まりと終わり(ここでは「興味・関心」から「共有」まで)の範囲が適切に設定されていること
・顧客の行動に加えて気持ちの変化が記述されていること
<悪いカスタマージャーニー・マップの例>
・重要な部分が抜けていたり、要素が冗長に説明されていたり、要素の選択が不適切なもの
・顧客体験の始まりと終わりの範囲が不明確、あるいは不適切なもの
・顧客の行動のみ、あるいは気持ちの変化のみの記述に留まり、両者の関係が明確でないもの
■「顧客の見える化」で価値を高め、具体的に提示する
ペルソナやカスタマージャーニー・マップは、「顧客の見える化」のツールです。社内で共有し、「もっと商品・サービスを充実できないか」「もっと有効なマーケティング策を講じられないか」についてチームで検討することで、顧客への価値を高めることができます。
また、見込み顧客に対し、提供できる顧客価値を具体的に示すことができるので、顧客への訴求を高めることができます。
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元