【年金】年金生活者支援給付金について
DATE22.12.14
今回のテーマは、年金生活者支援給付金*1のお話です。
これは、令和元年10月からスタートした制度で、年金を受給しながら生活している方の生活を支援するために、所得が一定基準額以下である方を対象に、年金に上乗せして支給される給付金です。消費税率を10%に引き上げた財源を基に支給されています。
年金生活者支援給付金には、老齢、障害、遺族の3種類があります。
いずれも「基礎年金」を受給している方が対象となります。
それぞれ支給要件と支給額の概要をみていきましょう。
1.老齢年金生活者支援給付金
●支給要件
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯全員が住民税非課税であること
・前年の公的年金等収入金額とその他所得との合計額が881,200円以下であること
(所得には、障害年金、遺族年金等の非課税収入は含まれません。)
●支給額(令和4年度)
月額5,020円を基準に保険料納付済期間等に応じて算出されます。
2.障害年金生活者支援給付金
●支給要件
・障害基礎年金の受給者であること
・前年の所得が4,721,000円以下であること
(所得には、障害年金等の非課税収入は含まれません。)
●支給額(令和4年度)
障害等級2級 月額5,020円
障害等級1級 月額6,275円
3.遺族年金生活者支援給付金
●支給要件
・遺族基礎年金の受給者であること
・前年の所得が4,721,000円以下であること
(所得には、遺族年金等の非課税収入は含まれません。)
●支給額(令和4年度)
月額5,020円
※ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は5,020円を子の数で割った金額がそれぞれに支給されます。
年金をはじめて請求する際に、年金生活者支援給付金の支給対象者となる場合は、年金請求書とともに年金生活者支援給付金請求書を提出します。
また、すでに年金を受給している方については、前年所得による審査が行われ、対象となる方については、年金生活者支援給付金請求書が日本年金機構から送られてきます。
例年9月ごろに対象者に請求書が送付されるスケジュールとなっています。
請求書が届いた方は、その請求書を提出することで、年金生活者支援給付金の支給を受けることができます。
年金生活者支援給付金は、毎年10月分(12月振込分)から年度が切り替わります。
令和4年10月分以降の年金生活者支援給付金については、令和3年の所得によって支給対象となるかどうかが決まります。*2
なお、年金生活者支援給付金は、支給要件を満たすと支給されるものですが、次のとおり支給制限事由があります。
●年金生活者支援給付金が支給停止となる場合
①年金が全額支給停止となっている場合
②日本国内に住所がない場合(海外に住んでいる場合)
③刑事施設等に拘禁されている場合
今回はここまでとさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
社会保険労務士
後藤 朱
(参考文献)
*1厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」.厚生労働省ホームページ.2022.
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkyuufukin/system.html
(参照 2022-12-12)
*2日本年金機構「年金生活者支援給付金を受給されている方の令和2年10月以降のお支払いについて」.日本年金機構ホームページ.2022
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202010/1007.html
(参照 2022-12-12)