【年金】令和4年度の年金額の改定について
DATE22.02.14
先日、厚生労働省から令和4年度の年金額と、令和4年度、令和5年度の国民年金保険料などの発表がありました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000191631_00014.html
- 年金額
令和4年度の改定率は、新規裁定者分・既裁定者分ともに「名目手取り賃金変動率」(▲0.4%)に従い改定されることとなり、結果として年金額は昨年度よりも0.4%引き下げとなりました。令和3年度に引き続き、2年連続のマイナス改定です。
令和3年度の改定率は1.000で、満額の老齢基礎年金は780,900円でしたが、令和4年度の改定率は0.996となり、満額の老齢基礎年金は777,800円となります。月額にすると64,816円で、前年度より259円マイナスとなります。
令和4年4月分の年金額(6月15日に振り込まれるもの)から新しい金額が反映されます。
ここで、年金額の計算の際の端数処理について確認しておきましょう。
老齢基礎年金の満額は「780,900円×改定率」で計算しますが、この計算で出た端数については、50円未満の端数は切り捨て、50円以上100円未満の端数は100円に切り上げて計算します。
たとえば、令和4年度の満額の老齢基礎年金については
780,900円×0.996=777,776.4円 → 777,800円
と計算します。
- 国民年金の保険料
国民年金保険料は、「名目賃金変動率」によって毎年度改定されます。
令和3年度の国民年金保険料は16,610円でしたが、令和4年度は16,590円、令和5年度は16,520円となりました。2年前納があるため、国民年金保険料は、翌年度分も発表になっています。
2年前納は、保険料の割引額が大きいため、利用している方も多いかと思います。国民年金保険料の割引額が一番大きくなるのは、口座振替+2年前納の場合です。
なお、口座振替やクレジットカード払いで2年前納を選択したい場合は、2月中に手続きしなければなりません。少しでも割引を多くしたいという方は、早めに手続きをしましょう。
- 在職老齢年金
令和4年度の在職老齢年金の支給停止基準額は47万円となりました。令和3年度から変更はありません。
在職老齢年金については、令和4年4月1日施行で、60歳台前半の支給停止額の計算方法に大きな改正が入ります。
現行制度では、60歳台前半の方と、60歳台後半の方とでは、年金の支給停止額の計算方法が異なっていましたが、改正により、60歳台後半の計算と同じ方法により計算されることになりました。
つまり今後は、60歳台後半と同じ47万円を支給停止基準額として計算します。
60歳台前半で年金をもらいながら働いていたものの、年金が支給停止になってしまっていたという方にとっては朗報ですね。今まで支給停止になっていた年金が、支給されるようになる方もいらっしゃるでしょう。
このほか、4月以降の改正点はまだいろいろとあるので、今後のコラムで少しずつ紹介していきたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
社会保険労務士
後藤 朱