ごえんをつなぐコラム

【年金】会社を辞めたときの年金の手続き

DATE21.12.14

会社員の方は、健康保険や年金の手続きは、基本的には会社がすべて行ってくれるものなので、なかなか自分で手続きを行うイメージがわかないと思います。

しかし、会社を退職すると、年金などの手続きは、すべて自分で行わなければなりません。

 

退職がはじめての方は、何をどうしたらよいのか?と戸惑うことも多いと思うので、年金では実際にどんな手続きを行うのか、紹介していきたいと思います。

会社に勤めている期間は、厚生年金保険に加入します(労働時間が短いパートタイマーの場合など、一定の場合は除きます)。

厚生年金保険の被保険者である期間、国民年金では第2号被保険者という種別になります(原則65歳未満)。

 

会社を退職すると、厚生年金保険の資格は喪失します

20歳以上60歳未満の方で、退職してしばらく仕事をお休みする期間ができる場合や自営業者となる場合は、国民年金第1号被保険者への切り替えの手続きを行わなければなりません

国民年金の手続きを行う窓口は、住民票をおいている住所地の市区町村の国民年金の窓口です。

 

手続きに際して必要な書類として、代表的なものは次のようなものがあります。事前にお住まいの自治体に確認しておきましょう。

基礎年金番号がわかるもの(年金手帳など)
退職日がわかる書類(退職証明書、社会保険の喪失確認通知書、雇用保険の離職票など)
本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)

 

国民年金への切り替えの手続きは14日以内に行うこととされていますので、手続きは忘れないようにしましょう。

ちなみに、国民年金の第1号被保険者になると、被保険者になった月から国民年金の保険料の納付義務が発生します。月の最終日に属している種別で保険料を支払うことになります。

具体例でみていきましょう。

  • 令和3年11月30日に退職し、資格喪失日が令和3年12月1日の場合

令和3年12月1日から第1号被保険者となりますので、12月から国民年金の期間となります。したがって、12月分から国民年金の保険料を払います。

  • 令和3年12月30日に退職し、資格喪失日が令和3年12月31日の場合

令和3年12月31日から第1号被保険者となりますので、12月から国民年金の期間となります。したがって、この場合はたった1日ですが、12月分から国民年金の保険料を払います。

 

国民年金の保険料は、日本年金機構から発行される納付書をつかって保険料を納付していきますが、手続きを行えば、口座振替納付やクレジットカード払いも可能です。

 

さて、ここまで退職時の国民年金の手続きをみてきましたが、最後に、退職時点で60歳以上の方は、どうなるのかをお話していきたいと思います。

国民年金の第1号被保険者の年齢要件は、20歳以上60歳未満ですから、退職して厚生年金保険の資格を喪失後、新たに厚生年金保険の資格取得をしない限りは、国民年金の手続きは必要ありません

ただし、65歳になるまでの間、国民年金への任意加入の申出をすることができます。任意加入をすることで、65歳から支給される老齢基礎年金の額を増やすことができます

なお、20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)に達している方は、満額の老齢基礎年金を受給することができるので、60歳以降、任意加入することはできません。
また、老齢基礎年金を繰上げ受給している方も任意加入することはできません。

社会保険労務士
後藤 朱

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