【年金】年金手帳が廃止されます!
DATE21.11.10
令和2年6月5日に公布された「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」により、年金に関する法改正が順次施行されています。
今回はその中の一つ「年金手帳の廃止」について紹介していきます。
年金手帳は、はじめて年金制度に加入したとき(20歳になったときなど)に交付されるものです。発行された時代によって、青色やオレンジ色など、さまざまな色があります。
年金手帳の中には、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、交付年月日などが印字されているほか、国民年金や厚生年金保険の加入記録を記入するページもありますが、現在年金手帳は、1人1つ付与される「基礎年金番号」を確認するためのツールとして活躍しています。
この年金手帳が法改正により廃止されることになり、令和4年4月1日以降、新たに年金制度に加入した方には、「基礎年金番号通知書」というものが交付されることになりました。この新しい基礎年金番号通知書によって、基礎年金番号を確認していくことになります。
年金手帳廃止の理由について、現在、年金の被保険者情報はすべてシステムで管理されており、マイナンバーの導入により、年金の情報を「手帳」という形式で管理する必要性がなくなってきている、などが挙げられています。
年金手帳ときいて、「あれ…どこにしまったかな…。」とドキドキする方も多いと思います。
今回の改正によって、令和4年4月1日以降、新規で年金手帳が発行されることはなくなりますが、現在持っている年金手帳は、引き続き基礎年金番号を明らかにすることができる書類として、使い続けることができます。
また、現在の制度では、年金手帳を紛失してしまった場合、再交付申請をすることができますが、令和4年4月1日以降は、手帳の再交付申請に代わり、基礎年金番号通知書の発行申請を行うことになります。
「年金手帳を紛失しているが、今のうちに再発行申請をした方が良いだろうか?」というご相談をいただくことがありますが、令和4年4月1日以降、手帳に代わるものとして、基礎年金番号通知書ができるので、あわてて再交付申請をする必要はないでしょう。
なお、新しい基礎年金番号通知書の様式は、まだ明らかになっていません。年金制度の象徴となるようなシンボリックなもの(色つきの上質紙等)にするなど、さまざまな検討がなされているところです。どんな様式になるのか、楽しみですね。
現在、マイナンバーが普及しており、将来的には年金についても、すべてマイナンバーで管理できるようになっていくでしょう。年金の手続きについても、マイナンバーでできるものがほとんどですが、まだ一部の手続き(国民年金保険料の口座振替の手続き等)は、基礎年金番号を記入しなければならないものもあります。まだ当面は、基礎年金番号をなくすというのは難しいのかもしれません。
ちなみに、自分の基礎年金番号がわからない場合、基礎年金番号を調べる方法について、年金手帳で調べる以外にも、基礎年金番号が印字されている書類で確認する方法があります。
日本年金機構のホームページでは、基礎年金番号が印字されている書類として、以下のようなものが紹介されています。
【基礎年金番号が印字されている書類】
・国民年金保険料の口座振替額通知書
・国民年金保険料の納付書、領収書
・年金証書
・各種通知書等(年金額改定通知書、年金振込通知書等)
・平成28年度「ねんきん定期便」(平成28年4月から平成29年3月発送分)
いざ手続きをするときに慌てないようにするためにも、自分の基礎年金番号はきちんと管理しておきましょう。
社会保険労務士
後藤 朱