ごえんをつなぐコラム

中小企業が持つ特徴的価値の「発見」「広報」「進化」を推進し、永い繁栄を支援する「企業価値協会」とは?

DATE21.09.06

 

プロフィール:武井 則夫
・一般社団法人 企業価値協会 代表理事
・株式会社リアルM 代表取締役
・サスラボ株式会社代表取締役

1970年東京都出身/早稲田大学卒業
早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了後、三菱レイヨンにて化繊製造工場と海外営業部門を経験。
その後、日本経営合理化協会に入協。セミナー企画の最前線に身を置き、数多くの経営者、一流コンサルタントと交流。
教育課長、教育部長、理事、経営研究所所長を歴任し2009年コンサルタントとして独立し、株式会社リアルM代表就任。
2012年に一般社団法人企業価値協会を設立、代表理事として中小企業が持っている素晴らしい価値の発掘、世に広める
ブランディング、増客と高付加価値化の支援を進めている。

著書:
・「選ばれる理由」(現代書林)
・「価値」で選ばれる経営(PHP研究所)
・お金だけでは計れない価値をつくりだす企業(ダイヤモンド社)
・お金だけでは計れない価値をつくりだす企業2(ダイヤモンド社)

共著:
・「社長学全集 事業発展計画書の作り方」(日本経営合理化協会)

 

インタビュー記事:

――武井さんが企画されるオンライン企業見学へ、当協会の企業経営アドバイザーを参加させていただき本当にありがとうございます。今回は武井さんや企業価値協会のことをお聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いします!

はじめに、企業価値協会についてご紹介いただけますか?

 

武井さん:
こちらこそよろしくお願いします!

まず、私たち「企業価値協会」の活動についてですが、大きく3つあります。

一つ目が自社が持つ特徴的価値の発見です。自社の特徴に気づいていない会社は驚くほど多く、当協会の『認定』申請を経て、形式知として自社の特徴、独自性、優れた点に気づいていただきます。

二つ目が広く知らせる広報の支援です。自社の特徴的価値を見出し、世の中に伝えて、認識してもらえて初めてお客様に選んでいただけます。そこで審査員としてご協力いただいている全国のメディアの皆様とのパイプを活かして、社会へ価値を伝えるバックアップをしています。

三つ目が特徴的価値の進化です。お客様から選ばれ続けるには環境変化を読んで特徴的価値を進化させる必要があります。当協会の認定には『更新』という制度があり、3年毎に審査を受けていただく必要があります。常に特徴的価値を磨き、お客様や社会が必要とする事業を創造していけるよう働きかけています。

――自社の価値に気づき、それを社会へ伝えていくことは案外難しいことなのですね。

武井さん:
そうなんです。良い商品・サービス、面白そうなモノを持っていて「いい会社だな」と私が思っても、売上が伸びていない中小企業はとても多いです。会社の採用も同じです。もっと入社希望者が集まっても良いのに、と思う会社がいっぱいあります。

それらの現場で気づいたことは「そもそも自社の素晴らしさに社長自身が気づいていない」ということです。特に創業者に多いのですが、社長にとっては当たり前のことで、あえて言う必要もないだろうと思っていることでも、他人から見ると大変素晴らしいことだったというケースがよくあります。

そのような企業には当協会の認定をおすすめしていて、実際に協会の認定申請書をベースに経済産業省の「おもてなし経営企業選」へ応募してみたら選ばれた!という企業や、認定をきっかけに自社のサービスが日本一であることに気づいたという企業もあります。

 

――自社サービスが日本一であることに気づかれていないこともあるのですね!

武井さん:
あるんです!それを当たり前と思って継続していること自体は本当に美しいことですよね。しかし、お客様にはその素晴らしさが伝わっていないので、別の部分で他社と比較して、その結果負けてしまうことが多々あります。

人間はモノを買う時、必ず比較しますので、比べられたときに自社の特徴がお客様に認識されていないと別の土俵で負けてしまいます。逆に自分たちの特徴がある土俵にお客様を導き、そちらを注目していただくようにすれば優位に立つことができます。「自社が持つ特徴的価値を発見する」ことは、とても重要なことなのです。

――企業価値協会を作られたのも、これらの理由からですか?

武井さん:
初めは、私と数名のコンサルタントで企業のお役に立ちたいと頑張っていたのですが、できれば日本中の企業のお役に立ちたい!と考え、そのためには制度を作らないといけないと思い至り、2012年に設立登記しました。

 

――まったくのゼロから協会を立ち上げるというのは大変だったのではないですか?

武井さん:
私自身初めての経験でしたので、ISOやグッドデザイン賞、モンドセレクションなどから学びつつ、仕組みを作りました。現在顧問を勤めていただいている、元経済産業省事務次官の望月晴文さまにアドバイスをいただいたり、中小企業庁・中小企業基盤整備機構にお力添えをいただいたりしながら、なんとか制度を作り上げることができました。

基本的には認定を取得する際にお金がかからないようにしています。あくまで中小企業の応援団という立場を意識してこの事業を続けています。

――企業価値認定をされた企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

武井さん:
100%言えることは「社員さんの誇りが増す」ということです。中小企業にお勤めの社員さんは「うちは中小企業だから…」と自社を卑下して見ている傾向がありますが、第三者から認めてもらえることで「うちの会社いい会社なんだ!」「こういう特徴があるんだ!」と自信につながるんです。

以前、認定をださせていただいた後に新聞へ掲載された企業のお話ですが、社員さんのご家族が「息子の会社が新聞に載った!」と大変喜んでいらしたそうなんです。つまり社員さんだけでなく、そのご家族の誇りにもつながるんですね。

 

――第三者に客観的に認められることは自信につながりますね。

武井さん:
誇大広告を含めて「自称〇〇」というのが信じられなくなってきた昨今において、広告で売り手側がこうですよと訴えかけるよりも、ネット上の書き込み・コメントが信用されるようになっています。つまり一人称・二人称の関係、私とあなたの関係では聞き入れていただけず、第三者が「あの会社良いよ」と言ってくれないと信じられない人が多いのです。

そこで、我々がその第三者となって素晴らしい取り組みをなさっている中小企業のみなさんに光をあてて、客観的にいいですよとお伝えすること。「いいねボタン押す」イメージですよね。それが結果的に、認定企業の売上や採用につながっていくと思っています。

 

――価値の「発見」だけでなく、その後の「広報」「進化」まで網羅的に支援をされていて、企業にとっては大変心強いですね。

武井さん:
私がやりたいことは「永く続く企業を支援したい」ということです。そのためには『発見』⇒『広報』⇒『進化』を繰り返していく必要があります。長くお客様に選ばれ続ける会社は他社よりも選ばれる特徴的価値を持っているということです。ライバル会社が追いついてきたら自分も磨いていかないといけない。これを進化と言っています。

これらのサイクルを回していく上で『広報』につまずく中小企業は結構多いので、広報面でバックアップできることは大きいと思っています。メディアに出ることは「わらしべ長者」なんです。新聞ひとつとっても、まずは全国紙でなく地方紙や業界紙でも良いんです。一つの記事はネット上に記録として残りますし、一度記録されると他の新聞社やTV局がなにかのタイミングで見つけて、更に3回・5回と出てくると「あの会社は大丈夫」「あの会社はネタになる」とメディアへ印象づけることができるのです。それが結果としてどんどん大きな案件になり、最終的にはTV出演へつながるんですね。

また、「進化」については、他業種や他業態の特徴的な取り組みを学ぶことが、同業他社にはない新たな特徴的価値を創る手段となると考えています。そのために、企業の優れた特徴的価値を学ぶための仕掛けとして認定企業見学会を開催しています。

 

――お聞きしたいことはたくさんあるのですが……。最後に企業価値協会の今後の展望を教えていただけますでしょうか?

武井さん:
今後は推薦をしていただける団体さんを増やしていきながら、現在138社という認定数をまずは500社目指して、早いうちに1000社にしないといけないと思っています。素晴らしい会社がまだまだたくさん埋もれています。そういう皆さんを世に伝えていけるように更に精進していきます。

そして、企業価値協会を通じて、認め合い、称え合い、高め合う社会を創っていきたいです。そして、1社1社が永く繁栄し続ける企業になっていただきたい。これが当協会の目指す世界観です。

――武井さんご自身の抱負も伺えますか?

武井さん:
やはり、意識するところは「サステナブル」ですね。

社会課題を経済的に継続できる事業を自身でも作りたいですし、作りたいという方の支援もしていきたいです。そうしてこれからの社会へ「新しい価値」を創造していくことが一つの使命でしょう。

 

――ありがとうございました!
ぜひ、認定企業の特徴的価値を紐解くオンライン認定企業見学会やメディアミーティングに参加してみてください、お互いに高め合って参りましょう!

 

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