フレームワークという武器を集める・使う~先人の知恵を上手く利用する
DATE19.10.15
皆様、こんにちは。企業経営アドバイザー検定試験の講座の講師(担当:企業経営・生産管理)をしている中小企業診断士の三枝元です。
■フレームワークはてっとり早く「できる人間になる」ための道具
みなさんの身の回りでこんな人はいませんか?
「会議やミーティングの場で、スパッと切り口に分けて的確に論点を整理できる。」
「プレゼンの場で、論点や根拠を明確にアピールできる。」
「意思決定において、多角的に検討し総合的に分析して判断できる。」
「相手の意見に対し、すぐに的確にコメントできる。」
「この人、もともと優秀なのかな」「きっと、経験が豊富なのだろう」と思われるかもしれません。しかし、これは正しくありません。彼らは、単に「観点(思考の枠組み)」、言い換えればフレームワークを持っているだけです。
フレームワークを持てば、何かあったときの整理がしやすくなり、結果が出しやすくなります。また、1つ1つの経験を重ねるたびに、「どうすればなおよかったか」を明らかにでき、実り豊かなものにできます。
■普通のビジネスパーソンでもすぐに使えるフレームワーク
フレームワークというと、SWOT分析、3C、5フォースモデル、ビジネスモデルキャンパス、マッキンゼーの7S、PPM、PEST分析などが有名です。これらは企業全体の経営戦略や組織マネジメントを考えるためのものです。よって、「フレームワークは、企業の幹部や、経営コンサルタントのためのもの」というイメージが強いかもしれません。
しかしながら、フレームワークは、一般のビジネスパーソンの方にも「使える」ものが沢山あります。それこそ膨大な数のフレームワークがありますが、その中から私が「普通のビジネスパーソンでも使える」ものを厳選してみました。新入社員の方でもすぐに使えるものばかりです。ここでは1つ1つの解説は致しませんが、どれも有名なものですので、ネットで検索してみてください。
<思考と意思決定のためのフレームワーク>
仮説検証サイクル、演繹法と帰納法、MECE、ロジカルツリー、重要度・緊急度マトリックス、システムシンキング、CFT、システム1とシステム2、アンカリング、フレーミング、プロコン表、意思決定の3要素(重要性、緊急性、実現可能性)、逆・裏・対偶、問題発見の4P、パレートの法則
<プランニングのためのフレームワーク>
PDCA、計画の3要素(手順・工数・日程)、5W1H、SMART、経営資源(4M1I)、ガントチャート、プロジェクトチャーター、KPT
<問題解決・改善のためのフレームワーク>
生産性の計算式、見える化、ABC分析、因果関係の3条件、三現主義、ダラリの原則、5S、3S、ECRS、VEの価値式、特性要因図、3つの不都合、需要の三要素
<コミュニケーションのためのフレームワーク>
PREP、CRF、交渉の3パターン(分配型・利益交換型・創造的問題解決型)、アリストテレスによる説得力の三要素、KISS、5つの核心的欲求、INFRAN、初頭効果と終末効果、マジックナンバー4±1、FABE、メラビアンの法則
<アイデア発想のためのフレームワーク>
オズボーンのチェックリスト、SCAMPER、類似法、ブレイン・ストーミング、チームビルディングの4条件(意見の多様性・分散性・独立性・集約性)、SUCCEs、シックスハット法、ERRC
「私が遥か彼方まで見通せたのだとしたら、それは巨人たちの肩に立っていたからだ」(アイザック・ニュートン)
フレームワークは、「単純さ」と「実用性」が命です。これまで多くのフレームワークが生まれてきた中で、今なお生き残っているものは、長い間の実用に耐えてきたものです。先人たちが生み出した使い勝手のよい知恵を、自分の仕事に活かして行きましょう。
中小企業診断士
三枝 元