那須社会保険労務士事務所代表
那須裕之さん
2020年11月、那須社会保険労務士事務所を開業しました。
本格的な活動はこれからとなります。
2018年に60歳で定年退職するまで都市銀行及び関連会社に勤めていました。転勤も多く、大阪、東京の支店や本店、アメリカ、香港への駐在もありました。業務としては、融資畑が長く、地域企業に対する貸出しが主でしたが、他にもいろいろな金融業務を経験しました。
独立という選択肢を初めて考えたのは、2007年頃でしょうか。
40代後半に差し掛かった頃、勤務先でセカンドキャリアを考える研修があり、これからの人生設計をした時に、リタイアしたら「資格を取得し独立する」という選択肢も一つだと漠然と思いました。当時、「消えた年金問題」がニュースとなっていたことや、また自分の年金受給額をこの研修で知る機会がありましたので、「年金って面白そうだな」と感じ、後に社会保険労務士を目指す動機にもなりました。
その後60歳定年を目前にし、希望したら65歳まで働きそれなりの収入は確保できるものの、65歳まで勤めてその時にどれだけの気力・体力が残っているか不安がありました。また親の看護など様々な要素もありまして、自分の残りの人生を考えた時に、新しい道に挑戦するのもラストチャンスだろうと決意し、2018年6月に60歳を迎えたタイミングで定年退職し、以前より興味があった「社会保険労務士」を目指すことにしました。
おかげさまで定年の翌年、2019年に無事合格することが出来ました。その後、2020年に実務経験に代わる「事務指定講習」を受講して開業、現在に至るところです。
社会保険労務士の業務には、大きく分けて「労働保険分野」と「社会保険分野」に分かれます。前述のように、私は年金方面に関心がありましたので、開業準備中から、「社会保険分野」を仕事にしたいと考えていました。そこで「年金の専門家・スペシャリスト」を名乗るためにはもう少し深掘りをして、スキルを身に付ける必要があると思い、「資格の学校TAC」のホームページを閲覧していた時に「年金検定」を知りました。
年金検定2級、1級ともに社会保険労務士の学習から目新しいと思うようなことはさほどありませんでした。しかし、社労士受験中に学習したことであっても既に忘れていた問題や、勘違いをして覚えていた問題に気付きましたので、知識の再確認にとても有益な試験でした。また、社労士試験に出題のない手続きに関する問題も出され、実務に直結した内容であったと思います。
2級、1級どちらも馴染みのある内容でしたが、1級の事例問題を解くのには少し苦労しました。事例問題は、年金の種類や配偶者の年齢など細かい設定があり、その条件から計算をして答えを導いていくのですが、断片的な知識では解けません。これまで学んだことから必要な知識を選択して結びつける必要があります。だからこそ、実践に近い形式で年金を学べ、その点が1級の特徴であり、良い点だと思います。
大きく二つの課題があると感じています。
一つ目は「自分が現在いくら保険料を払っていて、何歳からいくら受給できるのか、ということを正確に知らない人が多い」ということです。実際に、その時が来たら国が自動的に面倒を見てくれるだろうと思い込んでいる人も少なくないと思います。
65歳から自分が亡くなるまでの間、いくら年金を受給できるのかということがわかれば、月々どれだけ足りないのか、その分をどのように補うべきか、ということを考えることができます。このように、皆さんが将来のことを考える機会を作ることが私の役目でもあると思っています。
一般企業に勤めている会社員は国民年金に加えて厚生年金があり、更に企業年金等がある方もおられます。一方、自営業の方、特に最近はフリーランスで働く方も増えていると聞きますが、このような方は国民年金の加入だけだと、20歳から60歳までの40年間保険料を払い続けたとしても65歳から受給できる年金額は月約6万5千円です。年金保険料は、現在ですと、月1万7千円弱、年間にして約20万円。40年間納めたら約800万円になりますね。わたしたちが納める保険料に国庫負担分を加えたものを財源として終身年金が受け取れます。けれども、月6万5千円だけでは生活していけませんよね。従って公的年金に上乗せする私的年金に加入したり、その他の資産形成をして老後に備えることが必要になります。
つまり、今の若いうちにプラスアルファで何かをしておいたほうが良いということです。少し前に「老後2000万円問題」というのもありましたが、現行の年金制度は、元々それだけでは老後生活全てを賄えるものではありません。
ですから、「足りない」ということを広く知らせたいですし、自分の生活設計を若いうちから考えておく必要性や、将来に向けて蓄える様々な方法などをお伝えしていくことが重要だと思っています。
そのとおりです。そして、二つ目の課題は「将来、年金なんてもらえるかわからない、どうせもらえないから保険料なんて払わない」とおっしゃる方が多いことです。そのような方には、国の制度を信用していいということを丁寧に説明していきたいです。
「少子高齢化で近いうちに今の若い人一人がお年寄り一人を支えなければならなくなる」「年金制度なんて破綻する」などという煽りもあるようですが、それも違います。
年金はそれほどやわな制度ではありません。確かに、年金受給額が現役時代の所得に対する比率(所得代替率)が変化していく可能性はあると思いますが、年金制度自体が破綻してお金がもらえないということでは決してありませんし、年金が老後生活を支える大きな収入源であることは変わりません。
しかし、年金だけを頼りにしては老後の月々の生活が賄えないということは事実ですから、年金の受給以外にも考えたほうが良いということ、自助努力の部分が大事だということ、これらを広く伝えていきたいと思います。
社会保険労務士ほか士業の方はもちろん、一般企業の人事総務部門にお勤めの方で、年金に興味のある方はぜひ学習をして挑戦してほしいと思います。
年金検定2級、1級のほかにも、開業準備中にDCプランナー1級、2級、行政書士資格を取得しました。これまでがインプットの連続でしたので、今後は、アウトプットの機会を作ることが目標です。
所属している社会保険労務士会支部での活動では、「街角の年金相談」や役所での年金相談会、また、学校教育の場等へ伺い、生徒さんに対して労働や社会保険に関する基礎知識を伝える“出前授業”などもあります。このような行政のお仕事もこれから沢山お手伝いしていきたいと思います。
特になし。どなたでも受験できます。
2023年7月1日(土)~随時
120分
全国47都道府県の300会場にて実施
希望受験日の約3カ月前~3日前まで
60点以上
8,800円(税込)
CBT方式による四肢択一式問題50問
特になし。どなたでも受験できます。
2023年7月1日(土)~随時
120分
全国47都道府県300会場にて実施
希望受験日の約3ヶ月前~3日前まで
60点以上
8,800円(税込)
記述式(金額計算、空欄補充など)の事例問題約10題
(各題につき小問が2~3問程度)
公的年金制度の仕組み | 被保険者、標準報酬、保険料、被用者年金制度の一元化 |
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老齢給付 | 老齢基礎年金、老齢厚生年金の支給要件・年金額の計算 (老齢年金の繰上げ・繰下げ、在職老齢年金の計算等を含む) |
障害給付 | 障害基礎年金、障害厚生年金の支給要件・年金額の計算 |
遺族給付 | 遺族基礎年金、遺族厚生年金の支給要件・年金額の計算 |
公的年金制度に関するその他の論点 | 離婚時の年金分割、年金に係る税金等 |
私的年金、医療保険等 | 確定拠出年金、確定給付企業年金、国民年金基金、健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険等 |
年金検定試験はCBT方式で実施しております。
CBT(Computer Based Testing)方式とは、コンピューターを使用して実施する試験のことです。
試験は期間内にテストセンターと呼ばれる試験会場で随時実施され、会場の空席状況から都合の良い日時・会場を選択して受験することができるため、学習進度やスケジュールに合わせた受験が可能となります。
(株)CBTソリューションズが運営する年金検定試験専用ページから、希望する試験日時、会場を選択し受験申込いただきます。
※ご希望の会場で空席がない場合、広域でお探しいただきます。
専用ページより、必要事項を入力してユーザーID、パスワードを取得してください。
取得したユーザーIDとパスワードでマイページにログインし、受験する試験・試験会場・受験日時を選択してください。
②で選択した予約内容を確認し、受験料をお支払いください。
受験料の支払完了後、申込内容や試験会場への地図等について、予約完了メール又はマイページでご確認ください。
試験結果は、試験終了後にその場で確認できます。
第4回 年金検定2級 | |
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申込者数 | 123名 |
受験者数 | 89名 |
合格者数 | 38名 |
合格率 | 42.7% |
平均点 | 56.8点 |
第1回 年金検定1級 | |
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申込者数 | 133名 |
受験者数 | 108名 |
合格者数 | 66名 |
合格率 | 61.1% |
平均点 | 63.1点 |
年金検定2級 | |
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申込者数 | 233名 |
受験者数 | 84名 |
合格者数 | 53名 |
合格率 | 63.1% |
平均点 | 62.6点 |
(※)第2回検定試験は2020年3月8日(日)に実施される予定でしたが、コロナウイルス拡大防止の観点から、2020年6月28日(日)に延期して実施されました。